【iPhone6S】通話中相手の声が聞こえない

先日、常総市よりお越し頂いたお客様のご修理事例をご紹介させて頂きます。

お客様、誠にありがとうございました!

「通話中、こちらの声は相手に聞こえるけど、相手の声が全く聞こえません。でも、スピーカーにすると聞こえます。これって直りますか?」というご相談を受けたので、点検してみました。

点検したら、センサーケーブルが故障していることが分かりました。

ケーブル交換は10分程度で完了し、無事直ってお返しすることができました^^


”通話中声が聞こえない”症状は、皆さん、受話スピーカーが悪いと思っていることが多いのですが、実はセンサーケーブルが故障していることの方が圧倒的に多いです。


この丸をつけたところが受話スピーカーとセンサーケーブルの繋ぐ接続部なのですが、今回の場合には、ここが何らかのせいで断線してしまい、電流が受話スピーカーに伝わらなかったものと思われます。

このセンサーケーブルに付随している内側カメラは生きていたので、受話スピーカーの接続部だけが故障している状態でした。

お客様のiPhoneの内部は状態があまり良くなかったので、センサーケーブルが壊れても不思議ではないという印象でした。

iPhone内部が汚れていると、このセンサーケーブルがもろに影響を受け、壊れてしまうことがあります。

うちではセンサーケーブル交換は6Sであれば5,980円ですが、正規店に行くと本体交換になると思うので、これだけなのに修理代が数万円かかります。

こういう細かい修理を出来るところがうちの強みですね。

お客様、ご来店誠にありがとうございました^^


本日、書きたかったことは、実は別にあります。

今回のご修理のお客様のiPhoneにはご修理歴がありました。

フロント画面とバッテリー交換を少し前に、ある非正規の修理店で行なったそうです。

まぁこの修理が非常に適当で、普段、まず文句を言うことのない師匠がブツブツ文句を言っておりました。笑

色々と適当な箇所はあったのですが、1番ありえないのは、iPhone内部に割れたガラスのガラス片が残っており、画面がしっかりと閉まっていなかったことです。

初めにお客様が端末をお持ち込み頂いた際に、この写真のように左下の画面と本体の間に隙間が出来ており「バッテリーが膨張しているのかな?」と思いました。

しかし画面を開いてみたところ、バッテリーの上にガラス片が残っており、それが原因でしっかりと閉まっていない状態でした。

ガラスを綺麗に取り除いてあげたら、しっかりと画面が閉まりました。

こんな仕事をしているような店が修理の質にこだわりがあるわけもなく、フロント画面も非常に低品質なものがついておりました。

画面と本体の間に隙間が空いてしまっていたので、ここから内部にもろにゴミや埃が入ったようで、内部は埃まみれでした。

以前の画面交換の際に付け替えたであろうセンサーケーブルもしっかりと収まっておらず、変な状態でついていたので、そういうのも良くなかったんだと思います。

以前の画面交換とバッテリー交換の際の適当な修理のせいで、今回、センサーケーブルが故障してしまった可能性が高いです。

私はこういう修理を目の当たりにするたびにいつも思うことがあります。

精密機器の修理というのは、経験が命です。

どんな器用な方でも、キャリアの長い不器用な方には修理の質は絶対に敵いません。

ですので、修理し始めた新人の頃というのは上手にスムーズに出来ないのは、ある程度仕方のないことだと思います。

私も修理をし始めた頃はめっちゃ遅かったし、間違いを犯していたこともあったかもしれません。

しかも、iPhoneの修理は非常に細かく繊細なので、場合によっては壊してしまうこともあるかもしれません。

人の手で修理しているので完璧に修理事故を無くせるかというと、正直言ってどんなに気をつけていても壊してしまう可能性というのはゼロではないというのが私たちの仕事です。

ですので、もちろん修理事故は起こしてはいけないけれど、最大限気をつけて、それでも壊してしまった場合にはもうお客様に謝って弁償するしかありません。

ただ、最大限気をつける努力は絶対に怠ってはいけません。

何が言いたいかというと、最大限努力して上手くいかなかったのであれば仕方のないことだと思いますが、内部に割れたガラスが残っていてそのせいで画面が閉まらないなんていうのは、もうそういう問題ではないじゃないですか。

ただの怠惰です。

中にガラスが残っていて画面がきちんと閉まっていないなんていうのは、しっかりと修理しようと思っている人にとってはありえない事です。

技術面というよりは気持ちの問題ですよね。

この修理の後の師匠と私の会話です。

私:「まぁこんな適当な修理をされるのは可哀想だけど、そんな店を選んで行くのも悪いよね」

師匠:「でもお客さんはその店がいいか悪いかなんてどうやって選ぶの?一般の人に判断基準てないでしょ。ただ近いとか行くのに便利とか、そういう基準しか無いんだから、あとは運しかないですよ。もっと言えば、店は良くても修理をするアルバイトが適当な場合だってあるし、良い修理を受けられるかどうかは運しかないですよ。」

私は昔、同業の人に「あなたの店に行く人は幸運だね」と言われたことがあります。

きっとうちよりも技術力も知識力も格段にあるところは五万とあると思いますが、私はお客様への想いだけはうちは日本一だと自負しています。

そういう経営姿勢を見てくれて、同業の方はそんな風に言ってくれたんだと思いますが、嬉しかったです^^

今後も「あの店に行ってよかった」と思っていただけるように精進していきます。


私が”大切なこと”は、修理する心です。

「綺麗にきちんと修理したい」と言う想いは、修理の仕上がりに出ます。

技術力が多少劣っていたって、そういう想いがあればいくらでもカバーできます。

でも、心のない修理というのは仕上がりが適当になり、それが今回のお客様のように二次故障に繋がることも多いです。

心は育てることも向上させることも出来ないものです。

ある程度は持って生まれたものと、あとは上に立つ人の姿勢によって形成されるものだと思うので、基本的には変えることが出来ません。

ですので、やっぱり師匠が言うように良い修理が受けられるかどうかは、哀しいかな、お客様の運と言うことになってしまうのかもしれません。

私は、せめて自分だけは、お客様の役に立てる店でありたいとの気持ちは忘れないでいたいです。

綺麗事かもしれないけど、経営において綺麗事を追求することを忘れてしまったらもう未来はないと思うので、苦しいことも多いけれど、いつか今やっていることが花開くと信じて、今は精一杯出来ることに努めていきたいと思います。