iPhoneのリファービッシュ品って、偽物混じっていない?という話

記事内のフロントパネルの名称表記について

【2021年3月15日更新】

記事内に登場します液晶純正パネルは、現在、液晶再生パネルに表記を変更しております。
あらかじめご理解の上、読み進めて頂けますと幸いでございます。
なお、名称を変更しただけで、パネル自体に変化はありません。

皆様、こんにちは☆

今日のテーマは「リファービッシュ品」。

しかも、タイトルが「偽物混じっていない?」なんて、ちょっと過激になってしまって、すみません。

そもそも、リファービッシュ品とは、どういうものかご存知でしょうか?

リファービッシュ品とは”認定整備済製品”のことです。

https://www.apple.com/jp/shop/refurbished/about

簡単に言うと「初期不良等が起き、返品された製品を、メーカーが修理・再整備して再販している商品」のことらしいです。

メーカーが製品を保証しているという点が信頼性が高い上、新品に近い状態の商品を、新品よりも1〜2割ほど安く購入できるため、人気があるようです。



当社は、毎日さまざまな状態の中古iPhoneに関わっているのですが、その中には、リファービッシュ品もあります。

その中で、数年前から定期的に「あれっ?これってリファービッシュ品だよね?」という端末に出くわすことがありました。

「リファービッシュ品だよね?」というのは、要は、正規品だと疑わしいという意味です。

一例として、ひとつご紹介しましょう。

機種はiPhoneSE第一世代です。

まず、第一に、箱が違う。

左が該当の箱で、右が完全な正規品(当社がApple公式から直接購入したもの)。



見た目だと分からないのですが、箱の紙の質感が全然違います。

右の箱に比べて、左は紙が安っぽいです。

そもそも、これに最初に気付いたのは、1年半〜2年ほど前です。

師匠が「これって本物だと思いますか?」と私に尋ねてきたのがきっかけです。

この時は、師匠が考えすぎというか、「まぁそういうのもあるんじゃない?」という感じで、適当に流していたのですが、その後こういう端末に定期的に出くわすようになりまして、疑念を深めていきました。

「紙の質感」の違いは、外箱だけではありません。

説明書もです。




外箱よりも説明書の方が質感の違いが如実に出ており、これは素人目でも分かると思います。

左に比べて、右の紙の方が明らかに滑らかで、高級感があります。

しかし、紙だけでは、私たちも確信は持てませんでした。

疑念が確信に変わったのは、裏面の違いに気付いた時です。



右のApple購入端末は、文字の下にマークがあるのに対して、左にはありません。

しかも、裏面もアルミの質感が微妙に違います。

これで「絶対なんかおかしい」と確信しました。

しかし、裏面にはAppleのロゴマークが入っています。

これを複製すると、逮捕されます。

ロゴマークがいじれないので、当社では、裏面のガラス割れの修理には対応できません。

稀に、数時間かけて、ロゴマークはいじらずに、ガラスだけ綺麗に張り替えるお店なんかもあるみたいですけどね。

どうやっているのかは、私には分かりません。

しかも、ロゴマークだけではなく、IMEI番号もしっかり記載されています。

AppleのロゴマークやIMEI番号が入っている以上、Appleが見過ごしているとは思えず、この時点では、確信はあるものの、まだ決定的な証拠に欠けていました。

整備品の中には、新品とは違う裏面を使うこともあるかもしれない、と思ったからです。


最後に、画面をチェックしたところ、これで確信が確証に変わりました。

左が該当の端末、右が正規端末です。

(左の方は画面が割れてしまっているのですが、そこは気にしないでください。)

これですね、左は再生パネルが取り付けてありました。

左は右に比べて、明らかに画質が悪いの分かりますかね?

この端末に取り付けてあったのは、出来の悪い再生パネルでした。

画質以外の点は「何かがおかしい」とは思いながらも、機能的に関係のある点ではなかったため、私も問題視はしていません。

しかし、この画質は、使用感そのものに直結します。

ですので、この画質のものを、メーカーがチェックした”リファービッシュ品”として出しているのであれば、「ヤバい」と思いました。

そこで少し調べてみたところ、”リファービッシュ品”と言っても、どうやらAppleが管理している端末としていない端末があるみたいです。

https://www.apple.com/jp/shop/refurbished

Appleの公式内で出しているリファービッシュ品は、間違いなくAppleが整備して出している端末なので、全く問題はないです。

問題は、Apple以外の販売元が出している端末です。

Apple以外の会社で、独自に販売しているiPhoneを”リファービッシュ品”として出しているケースがあって、これは必ずしも、メーカーであるAppleが整備しているわけではないそうです。

私が定期的に遭遇する「リファービッシュ品」というのは、Appleが整備している”リファービッシュ品”ではなく、販売元が独自に整備している”リファービッシュ品”のようです。

リファービッシュはリファービッシュでも、どこがリファービッシュしているのか?ということですね。


もちろん、リファービッシュ品の全部が全部、今日ご紹介したものというわけではありません。

今日ご紹介したような端末は、ほんの一部であり、品質に問題のない端末の方が圧倒的に多いと思います。

私はみなさんの不安を煽るつもりはありませんし、リファービッシュ品の地位を不必要に下げる気もありません。

ただ、リファービッシュ品を買う時は、どこが整備したのか?は確認しておいた方がいいかもしれません。

箱や説明書などの紙の質感や、裏面の質感の違いなんかは、使用上、直接的に問題があるわけではないので、たとえオリジナル品と異なっていても、そこまで気にしなくてもいいと思います。

ただ、画質の悪さは致命的です。

しかも、当社が実際に、今回のような品質の画面が取り付けられていることを確認したのは、1度や2度ではありません。



もし、リファービッシュ品として購入したものの画質が悪かった場合、販売元に言えば、おそらく初期不良で交換してもらえるとは思うのですが、それでも最初から買わないに越したことはありません。

ですので、繰り返しになりますが、Apple以外から買う時は「どこが整備したのか」は確認することをお勧めいたします。


これと似た話なんですが、現在、様々な会社がスマーフォンの「修理補償」というサービスを展開しています。

格安SIMのようなSIMカードを販売している会社や、オークションサイト、中古端末を販売している会社等です。

この「修理補償」、月額数百円払うと、修理時に代金が安くなるというような内容です。

私はそもそも、この修理補償というサービスは不要だと思っているのですが、もし入るのであれば「修理の際、どこが修理してくれるのか?」をきちんと確認しておいた方がいいです。

多くの方はAppleが修理してくれると考えていると思いますが、サービスによっては、修理は民間に委託しているケースが結構あります。

民間に委託しているというのは、要は、非正規店に委託しているということです。

ですので、下手すると、コピーパネルが取り付けられて返ってきます。

もちろん、全部が全部、そうだという訳ではないですよ。

ただ、どこが修理するのか?は確認しておくべきです。

可能であれば、その会社のホームページも見て「信用できるのかどうか」をきちんと調べてから入ったほうがいいと思います。

まぁそこまでするくらいなら、Appleケアとキャリアの補償以外、わざわざ修理補償なんか入る必要もないと思いますけどね。

最近、頻繁に「修理補償」という言葉を見かけるので「果たしてどこが修理するのか?」私自身は分かる範囲でですが、毎回調べています。

iPhoneの修理という新しい且つ特殊な世界は、関わっている人のほとんどが素人の場合もままあり、個人的には、全く信用しておりません。

正直、メーカーですら見当違いのことを言っていたり、対応する人によって、意見や対応が異なることもありますので、製造元のメーカーですら信用していません。

当社は、自分の目と手で確かめたこと以外は、誰の言っていることも一切信用していないので、すべて自分で検証しています。

結局、何でも鵜呑みにせず、自分で調べることが損をしない唯一の方法だと、私は心得ております。


ということで、今日はリファービッシュ品について取り上げてみました。

なんか、iPhoneって闇深いですよね。

こんなこと発信していたら、どこかの組織に消されそう。w

今日ご紹介した端末について、偽物かどうかは、意見の別れるところだと思います。

紙質や外観の違いは言わずもがな、画質についても、気付く人の方が稀だと思うので、偽物と呼んでいいのかどうか、私にも分かりません。

しかし、少なくとも、私にとっては「正規品ではない」という認識なので、少し過激かとは思いましたが、この言葉を採用致しました。

私はAppleの商品が大好きですし、iPhoneの性能についてはリスペクトしています。

ですので、こんな出来の悪い再生パネルを取り付けているiPhoneが「リファービッシュ品」として出されていることに、非常に悲しさを覚えます。

また、こういう行為は、リファービッシュ品だけでなく、中古端末の評判を大きく下げてしまうことになりかねず、中古iPhoneを多数販売している私からすると、大変迷惑な話です。

リファービッシュ品だって、中古端末だって、ちゃんと直してちゃんと整備してあげれば、長く快適に使うことができます。

もし、これを読んだみなさんが「やっぱり中古は怖いんだ。新品買おう」と思ってしまったのであれば、とても残念に思います。

ただ、これも紛れもない、現実です。

みなさんが少しでも、こんな変なiPhoneを掴んでしまわないことを願うばかりです。

そして、中古端末については、過剰に怖がる必要はありませんが、自己判断できないと思う方は、メーカーや3大キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)から、直接新品を購入されることをお勧め致します。

私たちはこれからも、中古端末の地位向上と、信頼性の獲得のために尽力していこうと思います!

では、今日はここまで☆


PS .繰り返しにはなりますが、Apple以外が販売しているリファービッシュ品のすべてが、今日ご紹介したような、品質の劣る端末なわけではありません。

私の経験からしても、今日ご紹介したような端末は、リファービッシュ品として販売されているものの全体の1割にも満たないと思います。

この記事は、リファービッシュ品について中傷したり、不安を煽ることが目的なわけではありません。

「こういうこともあるよ」という、ひとつの参考例としてご紹介しているだけです。

その点は、ご理解・ご了承を頂き、あとは各自でご判断頂きますようお願い致します。