【iPhone6S】泥水没→復旧不可
久しぶりの水没修理!
機種はiPhone6Sです。
状況としては、泥水の中に落として慌てて拾ったところ、その時は問題なく電源がついたままだったので、そのまま使っていたら2、3日後に全く起動しなくなってしまったということでした。
この徐々に影響が出て電源が入らなくなるパターン、復旧率はかなり低いんですよね〜。
内部を見てみます。
内部、かなり水が入り込んでいました。
上中央の水没シールが真っ赤なのはもちろんですが、泥が相当入ってしまっていて、内部の腐食が始まっていました。
iPhoneの起動において大切な部分は、この基盤です。
特に矢印の部分、フロント画面と基盤を繋ぐ部分とバッテリーと基盤を繋ぐ部分。
ここの腐食が始まっていると、もうほとんど起動できる可能性はありません。
そして、フロント画面側の各部分の腐食は、かなり進んでしまっていました。
画面側についているカメラやホームボタンなどの各パーツが錆び始めていました。
水だけであれば復旧した可能性もありますが、水以外のものの中に落とすとガクンと復旧率は下がります。
それはなぜかというと、水以外のものの成分というのは、やはりこんな風に内部の腐食を早めてしまうからです。
今回のお客様のiPhoneの水没故障は、水没後のご対応が1番やってはいけない行動でした。
お気持ちは大変よく分かります。
水没させて慌てて拾ったら、電源がついたままだったら「問題なかったんだ」と思って、そのまま使い続けてしまいますよね。
泥水の中に落として拾った後、すぐに電源を切って持ってきていただき、内部クリーニングをしっかりしていれば、今後も問題なく使い続けることができたかと思います。
今回は、運も悪かったと思います。
水没直後、目に見える異常が出ていれば、すぐにご修理を考えたと思うのですが、目に見える何かがないと、お金を出して内部クリーニングしようとは思わないですよね。
今回のように、見えないところで影響が出て、数日後につかなくなってしまうと、それはほとんどの場合、先ほど丸をつけた基盤がショートしてしまったという可能性が高く、そうなるともう何をやってもうんともすんとも言いません。
今回の場合のように、iPhoneの水没というのは、必ずしも水没直後に異常を来したり、起動できなくなるものばかりではありません。
先ほどの写真のように、あんなに泥水が中に入ってしまっていても、運が悪いと水没直後に異常が出てくれず、徐々に影響を及ぼしてしまうということも大いにあります。
それが水没の怖いところです。
特に、水以外の成分の入った水分(海やプールに落とす、ジュースをぶっかけるなど)の水没だと、内部をクリーニングしてあげないとどんどん腐食していくので、たとえ水分が蒸発して乾いたとしても、その成分によって内部が腐食し起動しなくなってしまうことがあります。
水没後、問題がないとそのまま使ってしまう方も多いですが、確実に水没させてしまったら、やはり修理店に出して内部クリーニングしてもらうことが最適です。
お風呂やトイレ、雨など「真水」であれば乾いてしまえば問題なく使い続けられることもありますが、水以外に水没させてしまった方は、ぜひ内部クリーニングをしてあげてください。