この仕事の良いところ、悪いところ

現在、iPhone修理屋さんはブームなので、自分でも始めようかな〜と思っている方もいると思います。

うちのお客様にもたまーにそんな方がいらっしゃいます。

ですので、今日は私がこの仕事をしていていいと思うところと、悪いというか大変なところを書いてみようと思います。

今後始めたいと思っている方の参考になれば幸いでございます。

ちなみに私は綺麗事が大っ嫌いなので、耳障りのいいことは言いません。

私が感じている事実だけをありのままに書いていきます。


まずは、いいところから。

①お客様に喜んでもらえる仕事である

いいところは、なんと言ってもこれですね。

通常、仕事というのは多少なりともお客様に喜んでいただけるものではありますが、この仕事はその喜んでいただけるレベルが桁違いです。

自分の仕事によって、お客様が嬉し涙を流すという経験を初めてしました。

お金をいただき、なおかつ泣くくらい喜んでいただける仕事なんてそうはありません。

しかも、オープンして半年の間にそんな経験は一度や二度ではありません。

iPhoneというのは生活に密着しているものなので、壊れた時の不便さや悲しさというのは本当に大きなものです。

画面が映らなくなってしまったり、水没させて動かなくなってしまったり。

しかもそれが突然であればあるほど、不便さや不安感はとても大きくなります。

それが綺麗になって元通りに、しかもデータもそのままで戻ってきたら。

確かにそのお客様にとっては夢のようなことというか、感激するようなことかと思います。

うちのような民間の修理店で修理してしまうと、Apple careやキャリアの正規保証が受けられなくなってしまう可能性がありますが、「そんな場合じゃない」という緊急のお客様も少なくないんです。

そういうお客様に綺麗に直ったiPhoneをお返しできた時の達成感や充足感というのは、他の仕事では味わうことのできない大きな利点だと思います。

ここにやりがいや楽しさを感じられる方は、この仕事に向いていると思います。

私は常々、父より「お客様にありがとうと感謝される仕事をしなさい」と耳にタコができるほど言われてきたので

この仕事は私にとっては理想の仕事だと感じています。

あとは、この業界は不誠実な人や店が大半なので、普通に誠実に対応しているとお客様が感謝してくださいます。

ですので「お客様に誠実に向き合いたい」と思い、実行している人にはとてもやりがいのあるいい仕事だと思います。

逆に「儲けたい」だけだと辛いことが多いので厳しいです。

というかまぁ、どんな仕事も儲けたいだけでは厳しいとは思いますけどね。


次は、大変なところ。


①部品の不良に悩まされる

この仕事の悩みは、ほとんどこれです。

部品の不良と出来の良し悪しに左右されます。

本当に考えられないレベルの商品が届くことも普通です。

もう何度も何度も言っていますが、この業界の卸業者は魑魅魍魎の世界を地でいく人たちです。

ですので、信頼できる卸業者さんに出会うことがこの商売の鍵を握っています。

どんなに志が高くても、卸業者が売ってくる商品の質が低ければお客様にいいものを提供することができません。

だから、「パーツの質」に関しては本当に戦いです。

どこまでこだわれるか、妥協せず良いものを出してくれるところを探して、そこと信頼関係を築けるか。

本当にここにかかっています。

だから、腰掛けでは出来ないんです。

その程度の情熱で魑魅魍魎の世界を生きる百戦錬磨の卸業者と対等に戦えるわけがありません。

パーツ業者というのは、本当にすごいです。

中には平気でとんでもないことを言ってくる奴がいます。

中途半端に「小遣いが稼げればいいや」程度であれば適当にお茶を濁してやればいいでしょう。

ただ、真剣にやっていくならば曲者揃いの業者と戦う覚悟が必要です。

お客様からいただける仕事の喜びが10とすると、この不良パーツとの戦いは−8くらいです。

こんなにお客様に喜んでいただける度合いが大きい仕事なのに、ギリプラスが勝っているというくらいこの不良パーツ・低品質パーツとの戦いは辛く苦しいです。

私が見てパーツのレベルが低いと感じたら、業者さんに言ってその都度交渉しています。

これをできる根性と粘り強さ、あとは多少の諦めもできる柔軟性がないと辛くてすぐに辞めたくなります。


②修理の緊張感が半端ではない

うちの店はオープンして半年で200人以上のお客様が来てくださっていまして、数で言えば200台以上のiPhoneを修理しておりますが、今も毎日修理はとても緊張します。

「気を抜かない」という良い意味での緊張感ではあると思いますが、1台1台凄まじい神経を使うので、画面交換ならば私は1日5台が限界です。

神経がすり減ってしまうので、5台以上は受けられません。

修理内容によっては本当に吐きそうになりながらやっていることもあります。

よく分からない謎の不具合が出てしまったり、思うように修理が進まずお客様をお待たせしてしまうこともまだまだありますので、1台1台本当に気が抜けません。

おそらくみなさんが思っている以上に、iPhoneというのはミステリーに溢れています。

そういうことをひとつひとつ解明していくのに苦労を感じない方は、この仕事に向いているかと思います。

私自身はその辺に関しては少し面倒くさがりなので、謎の不具合が出るとキレたくなりますが、精密機器が好きで研究熱心な方は楽しいかもしれませんね!


③検証機を揃えるのにお金がかかる

これは盲点というか、経験者だから語れる裏話だと思います。

iPhone修理店を始めるのに大きなメリットとしては「初期投資の少なさ」にあるかと思いますが、検証機を揃えるのに想像以上にお金がかかります。

今であれば、iPhone5・5S・5C・6・6Plus・6S・6SPlus・7・7Plus・8・8Plus。

ここまでとりあえず一通り、揃えなければいけません。

まぁ揃えないでやっているところもあるんでしょうけどね。

私はお客様のiPhoneにお付けするパーツは全て検品してから出さないと気が済まないので、うちの店は7Plus以降の3機種については検証機をまだ買っていないので、始めていません。

7Plusと8と8Plusの修理のご依頼もなくはないですが、まだお断りしています。

ここまで揃えるとなると、「初期投資は全然かからない」とは今はもう言い難いのではないかと思います。

しかも、iPhoneのパーツもこれだけの機種のものを一通り揃えるとなると、決して安くありません。

私は1番初めにパーツを買った時は全部で30万くらいかかりました。

もう少し絞れるとは思いますが、「初期投資は全然かからない」というのは昔の話です。

今はある程度かかると思っていた方がいいかと思います。


以上が、私が思う「この仕事のいいところと悪い(大変)なところ」です。

色々と書きましたが私自身はこの仕事が大好きなので、巡り会えて本当に良かったと思っています。

仕事には向き・不向きというのが少なからずありますが、それが大きく出る商売かなと思いますね。

ひとつ言えることは、何でもそうですが小遣い稼ぎ程度の情熱でお客様がついてくれるほど甘い商売など、この世には存在しません。

そして、何よりそんな姿勢ではお客様に対して失礼だと思います。

iPhone修理店というのは、特殊かつ未知の世界なのでみんな盲目的に見ていますが、別に普通の商売と何ら変わりはありません。

私が言いたいのはそれだけです。

これから始めたいと思っている方の参考に少しでもなれば嬉しいです(^^)


ー後日談ー

2020年3月1日更新

良いところと悪いところ、結構面白い記事かなと思います。

この時の想いにそんなに変化はありませんが、修理時の緊張感に関しては、今はほとんど無くなりました。

開業当時はお客さん自体も多くなかったので、いちいち緊張していましたが、今はそんないちいち緊張していたら、数こなせないですからね。

慣れ、ですね。

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