【iPhone6】ちゃんと直すことの大切さ
【2021年3月15日更新】
記事内に登場します液晶純正パネルは、現在、液晶再生パネルに表記を変更しております。 あらかじめご理解の上、読み進めて頂けますと幸いでございます。 なお、名称を変更しただけで、パネル自体に変化はありません。
年末の本日、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
関東は近年稀に見る暖かい年末だそうです。
うちは師匠が宮城に帰省しまして、お正月は私1人です。
私は今日も働いております。
今日はすでに3件修理致しました。
私は意外と古いタイプの人間なのか、自営に正月もお盆も関係ないと思っているので、特に休んだりはしません。
ただ明日の1月1日は父と秋葉原に行くので、今年は1月1日だけはお休みします。
実は今、父がジャンクパソコンを直すことにハマっておりまして、明日、秋葉原でジャンクパソコンの福袋なるものを買いに行くそうで、私もそれに付いていく予定です。
電気街で何か面白いものが売っているかもしれないし、便利なお店等あるかもしれないので、私もついでに偵察に行ってきます。
まぁ結局は仕事のようなものなんですが(笑)
さて、今日は、先日バッテリー交換を承った時の話をしたいと思います。
機種はiPhone6。
修理自体はなんてことない普通のバッテリー交換でしたが、例によって、本日の端末は以前他非正規店で画面交換歴がありました。
しかも、本当に、ひどい状態でした。
順番に紹介していきますね。
まず、もっとも衝撃を受けたのは、画面と本体がちゃんと閉まっておらず、かなり大きな隙間ができていた点です。
これはお客様がうちに端末をお持ち込みされた時の状態です。
これだけ隙間が空いているのは異常です。
私がお客様に「画面の下、こんなに隙間が開いているのですが、気づいていましたか?」と伺ったところ、 「画面交換をしたその直後から開いていた」とおっしゃっておりました。
よく見ると、画面と本体を止めるネジ2つが付いていませんでした。
画面交換直後から開いていた、ということはネジをつけ忘れたんでしょうか?
もし仮につけ忘れたとしたとして、これだけ隙間が空いているにも関わらずそれに気付けなかったのであれば、これもまた異常です。
このネジが無いと何が問題かというと、まず、画面が本体から外れてしまう可能性があります。
落とした衝撃で画面が開いてしまうと、固定しているコネクタがちぎれたりなどし、大惨事になります。
こうなると修理代金も高額になるでしょう。
また、今回のお客様の端末も正にそうでしたが、内部にかなりの埃が入っていました。
そりゃそうです。
これだけ隙間が出来ていれば、内部に埃もどんどん入ります。
その影響からか、バイブスイッチが故障していましたし、充電部分も怪しかったです。
この状態が続けば、やがてSIMカードの読み込みがおかしくなったり、充電しても残量が増えなくなったりなど、基盤故障を起こす可能性もあります。
そうすると、買い替えです。
お客様は「隙間があることは気にしていないので」 とおっしゃっておりましたが、辛辣なことを申し上げるようですが、こういうことはお客様が気にするとか気にしないとかいう問題ではありません。
安全に使うための最低限のことです。
じゃあ、気にしないでそのまま使っていたところ壊れたとして、壊れた原因がこのせいだったとしたら、それでも気にしないでホイホイ金払って機種変するのか?と思います。
厳しいことを言うようですが「正しく安全に使う」ということは、無駄なお金をかけないためにも大切なことなんです。
それをぜひ覚えておいていただけると嬉しいな、と思いました。
今回はうちにあるネジをつけました。
最初よりは閉まりましたが、左側にまだ微妙に隙間がありますね。
先ほど「この端末は非正規店で画面交換歴があった」と申し上げましたが、もちろんコピーパネルが取り付けられていました。
コピーパネルはつくりが甘いので、こんな風に画面が本体にキッチリ収まらないものがあります。
多いのは、ガラスに厚みがあるものですかね。
今回のお客様はケースすら付けずに裸で使っていたので、本体下部もしっかり覆ってくれる頑丈なケースを付けてお使いいただくように指導してお返し致しました。
ネジを締めてケースで覆うことにより、今までよりは段違いに安全に使えるようになりました。
では、続けて画面の話をしましょう。
端末にはコピーパネルが取り付けてありましたが、液晶に変な線が5本ほど出ていました。
操作に支障はないですが、結構目立ちます。
修理業者として大切なことは「ちゃんと直すこと」です。
決して、目の前の人を何とか騙くらかして修理させて売上をあげて、あとは知らんぷりすることではありません。
私も業者です。
正直、お客様を騙そうと思えばいくらでも騙せる・誤魔化せる術は得ています。
専門的な仕事ですので、それっぽいことを言って誤魔化すこともできるし、のらりくらりとかわすことだって可能です。
でも、私はそれをしません。
なぜかというと、そんな人生を歩みたくないからです。
分かっているくせにコピーパネルをさも純正のような顔をして売ったり、実力も伴っていないくせに登録修理業者などと言って安全に修理できるように思わせたり、そんな風に人を欺き「その場で儲かればいい。あとは知らない」なんていう人生を、私は歩みたくはありません。
今日のような酷い修理はまだまだ絶えないですが、こういうものを見る度に「こんな不誠実な人生でいいのか聞いてみたい」と感じます。
自分の方が知識がある!とか技術がある!とか、そんなアピールを私にしてくる人もいますが、大切なことはそんなことじゃないんですよ。
もっとも大切なことは「目の前のお客様の端末をちゃんと直して、できるだけ長く快適に使ってもらえるようにすること」
そのための知識であり、技術であるわけです。
私にマウンティングするためのものではありません。
どんなに知識や技術があろうとも、それがお客様の役に立っていないのであれば、そんなものはゴミ。
今すぐ捨てた方がいい。
誰に向けて仕事をしているのか?
もちろんお客様です。
本日のお客様は、とてもお優しい方で、きっと何か、ん?と思うようなことがあっても言わないんだろうなという印象を受けました。
私の経験上、そういうお優しい見た目の方や、大雑把そうな方というのは、適当な修理をされがちです。
この業界だけではなく、こんな風に今の世の中って、正直者が馬鹿を見たり優しい人が損をして、クレーマーが得をする時代じゃないですか。
でも、私は絶対にそれは不公平だと思っているので、うちでは優しい方にはサービスをして、クレーマー気質の人の修理はそもそも受けないことにしています。
せめて自分のコントロールできる空間だけは、私自身も、私に関わる皆様も「正直者が得をする」世界でありたいと思っています。
しかし、世の中には正論が通じない人間というのも一定数いますので、あとはもうそういう人には自分が関わらないようにするしかないですよね。
私が今日のような修理を見て、修理をした人に「こんな人生でいいのか?」と思ったとしても、修理をした人は「それでいい」と思っているんでしょうし、どこまで行っても相容れないんだから仕方ないですよね。
私は最近「受け入れる」ということを少し覚えてきました。
人生には、どうしようもないこともあるんですよね。
昔の私は理不尽なことや自分の感覚に合わないことをされると、すぐに「キー!」となっていたんですが、最近は受け入れ、諦めることを覚えてきました。
私は最近イタリア系アメリカ人のマフィアの世界を描いたドラマにハマっているのですが、その中でマフィアの幹部が「理不尽を受け入れられるようになったら、大人の仲間入りだ」というようなことを言っていて、その通りだなと思いました。
このドラマの中では「ライフイズアンフェア」とよく言っているのですが、そのアンフェアさを受け入れてからが、「大人」としての人生の始まりなのかもしれません。
私は30歳を目前にして、やっと少しだけ大人になってきたのかもしれません。
話が逸れてしまいましたね。
私は”修理店の本質は「ちゃんと直して出来るだけ長く使ってもらうこと」だと思っている”ということをもう一度書いて、本日はこれで終わりにしたいと思います。
そして前回のブログでも書きましたが、私は本質を大切にしています。
本質を極めることが自分の生きる道だと思っているからです。
では、皆さま次は年明けにお会いしましょう!
本日ご紹介させていただいたお客様、ご利用誠にありがとうございました^^