価格決定でもっとも大切にしていること
先日、Yahooニュースを見ていたら、こんな記事を発見しました。
価格破壊を起こして市場を壊すような店は、倒産してもらう事がその業界にとっては好ましいです。
採算割れレベルの価格破壊を起こして商売を続けていくには、圧倒的な資金力が必要です。
自分に置き換えれば当たり前のことですが、人は安い方がいいに決まっています。
もし、全く同じものを購入するのであれば、安い方を選びます。
Amazonで買い物する時がもっとも分かりやすい例ですよね。
安い順で並んでいれば、もっとも安い店を選ぶのが当然です。
それでも、例えば、その列の中に価格以外で他より優位性を持ったお店があれば、そちらを選ぶこともあります。
私の場合はどこか分からない怪しい店からよりも、数百円高かったとしてもAmazon.co.jpが販売している商品を選びます。
Amazon直送だと配送も早いですし、何かトラブルがあった際に対応が早いという理由からです。
店選びをするときも、それは同じだと思います。
まずは自分の行ける範囲で店を探す。
次に価格を見る。
その後店の雰囲気や感じを見る。
そうやって、最終的に自分がもっとも魅力的に感じる店を選んで足を運ぶかと思います。
私が自分の店の修理価格を決定する時は、他の店と比べる事はまずありません。
当社の修理は、iPhoneの画面交換修理が半分以上を占めるので、画面交換の修理料金というのがもっとも重要になってきます。
オープンした当初は、大手チェーンの修理屋さんの価格を参考に、コピーパネルの料金を決めていたのですが、それも今は無くなりました。
今は完全に自分の裁量で決めています。
また、液晶純正パネルの交換料金に関しては、完全に当社基準で価格を決定しています。
なぜなら、当社は、液晶純正パネルに関しては、他の店と比べ物にならないくらい時間もお金もかけているので、単純に、比べる材料がないからです。
当社の液晶純正パネルの交換料金は、他の店と比べた場合高いですが、それでも当社の画面交換のお客様は、8割の方が液晶純正パネルをお選びになります。
それは何故だと思いますか?
当社はお客様に対して「何故この修理はこの価格なのか?」という部分の説明の手間を惜しまないからだと、私は思っています。
私は、価格を1円でも安くする方にではなく、「どうやったらお客様に納得して修理してもらえるか?」という部分に手間をかけています。
もちろん少しでも安い方がいいとは思うので、価格面も出来るだけ安く出来るように、常に見直しはしております。
ただ、私は液晶純正パネルに関しては、安く修理するよりも「長く良い状態で使ってもらいたい」気持ちの方が圧倒的に強いので、品質面を重視しています。
そのため、単純に価格だけ見ると他の修理店より高いと思いますが、今まで「高い」というクレームが来た事はありません。
むしろ、前に他店で修理して問答無用でコピーパネルをつけられ、それが壊れてうちにご来店された方は「いくらでもいいからちゃんと直してくれ」とおっしゃります。
ですので、私たち店舗経営者というのは「どうしてこれはこの価格なのか?」ということをお客様に納得してもらう手間を惜しんではいけないと思うんです。
そこを惜しむから、お客様に理解されずに不毛な価格競争に陥り、最終的に大資本を持った大企業に駆逐されてしまうんです。
お客様に納得していただく手間を省き、「どうせ安くないと来ないんでしょ」などと開き直り、ただ他店より安くやり赤字になるようでは経営ではないと私は思います。
そんなことはバカでも出来ます。
大切なことは、どんなものを販売するにしてもお客様に「納得していただく」ことだと思っています。
以前、ある同業の方とお話をした際に、その方は「別に儲からなくてもいい」とおっしゃっていたんですが、私はそんな方は経営者失格だと思いました。
私はオープン当初、ある広告屋さんからこんなことを言われた事があったんです。
“松島さん、お客様に1番迷惑をかけることは何だと思いますか?
それはあなたの店が潰れてしまう事なんですよ。
あなたの店に助けられる人が沢山いて、その方たちはこの店が潰れたら非常に困ってしまいます。
だから、経営を続けていくためにお客様にも協力してもらう必要があります。
経営を続けていくためにお客様にも出来るだけ頼ってください。“
ある会話の一幕だったのですが、この言葉が非常に心に残っています。
これ以来、お客様に迷惑をかけないために絶対に潰れないようにしようと心に決めました。
「儲からなくてもいい」なんて、イコール最終的に潰れてお客様に迷惑がかかっても構わないという風に私には聞こえます。
そんな方とは私は相容れません。
最終的に何が言いたいかというと、 無謀な安売りの店は少しでも早く潰れて欲しいと願いますが、個人的にはそんな店に巻き込まれる方も巻き込まれる方だと思います。
こんな時代だからこそ、常日頃から不毛な価格競争に巻き込まれず、長く続けていくための戦略を実行していく事が、会社としての使命だと思います。
私は今、自分の店の近くに大手修理業者が入ってきたとしても一切負ける気がしません。
なぜなら、そういう店とは戦略が違うからです。
流れの速い時代ですが、どんな時も、必ず突破口があると信じ、アクションを起こしていく事が大切だと思います。。
そして、価格に関しては「お客様に納得していただく」努力を惜しまないことを、今後もコツコツと続けていこうと思います。
上の記事を読んでそんな風に思いました。
ー後日談ー
2020年3月15日更新
相変わらず、厳しいこと言ってますね(笑)
今も、Appleの修理料金は見ますが、他の店舗の修理料金を見ることは一切ないです。
それでも全国からご修理依頼をいただけるので、高いと思われてはいないのだと思います。
ただ、やはり「コスパ」は重要な点なので、コスパ重視でやっています。