【水没】素直に話を聞いてくれる方ほど復活率は高い

真冬の現在、スマートフォンを水没させることなんてあるのか？と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、水没させてしまう場面はプールや海だけではありません。

トイレに落とす、お風呂に落とす、豪雨で濡れて、カバンの中に入れておいたら水をこぼして、などなど、意外と日常生活の中ではスマートフォンを水没させてしまう場面というのはあります。

もちろん絶対数としては夏の方が多いですが、冬でも定期的に水没修理のご依頼はやって来ます。

水没のお客様のタイプは大きく分けて２つあります。

ひとつは、こちらの話を全面的に聞いてくれて、行動が早い方。

もうひとつは、こちらの話をあまり信用せず自分で色々とやってしまい、修理に出すのが遅い方。

どちらの端末の復旧率が高いかというと、圧倒的に前者のお客様です。

私たちは何万台ものiPhoneの修理をしてきた経験から、もっとも適切な対処法をお客様にアドバイスしています。

水没においてもそうで、少しでも正常に復旧させる確率を上げるために「水没した」とお問い合わせされたお客様には「今すぐ電源を落として、内部クリーニングの修理に出してください。」とアドバイスします。

うちの料金体系を見て頂ければ分かりますが、うちは水没修理は直っても直らなくても、修理代金は一律3,990円です。

水没修理

うちはお客様の端末が直っても直らなくても頂ける金額は一緒なので、売り上げ的には変わりません。

それなのに私の話をあまり信用せず色々疑ってモタモタしていると、その間にも復旧率というのはどんどん下がってきます。

「iPhone 水没 対処法」とググると、ジップロックに乾燥剤を入れてその中にiPhoneを入れて乾かすという方法が出てきますが、これは非常に理にかなっています。

ただし、これは内部を乾かすのにかなり時間のかかる方法なので、一般の方には時間的に無理ですよね。

だったら、うちに4,000円払って２時間でクリーニングしてしまった方がいいのではないかと、私なんかは思うわけです。

ですので、お問い合わせくださった方にもそのようにアドバイスしています。

どうしてこんな話をするかというと、先日こんな出来事があったからです。

ある女性の方から、取手店にこのような問い合わせがありました。

水没させてりんごループになっている状態というのは、最終段階です。

明らかに起動障害を起こしているので、これを放置していると、確実に電源が入らなくなります。

私は「そのまま電源が入った状態だと基盤がショートし復旧できなくなるので、強制終了させて少しでも早く内部クリーニングに出した方がいい」というご提案をしました。

ここで決断してすぐに持ってきてくれる方は、まず間違いなく正常に復旧します。

勿論、水没の状況によっては例外もありますが、私の経験上、だいたい内部クリーニングだけで直っています。

しかし、この方はそこでは決断されず「また電話します」という回答でした。

私は他の店舗にも料金などを聞いてみるのかな、と思ったので、それで電話を切りました。

それから１時間ほどしてまた同じ方から電話がかかってきました。

「今から行きます」というお返事かと思っていたのですが、違いました。

「あれから何度か強制再起動を試したら電源がついて、とりあえずデータだけでも取りたいと思いicloudに入ろうとしたのですがパスワードを間違えすぎてロックがかかってしまい、明日にならないとサインインできなくなってしまった。結局電源は入ったけどどんどん画面は暗くなってくるし、これって直りますか？」

とおっしゃりました。

申し訳ありませんが、私は「うちは内部クリーニングを行うということしか現状提案できることはありませんので、申し訳ないですがうちではお力になれません。」と申しまして、早々に電話を切り上げました。

もう、こういう方は自分で好きなようにやればいいと思いまして、特にアドバイスなどする気も起きず。

個人的には「何勝手に強制再起動してんの？そんなこと一言も言っていないよね？」と怒りすら湧きました。

内部クリーニングもしてないのに、強制再起動を繰り返し行うなんて、水没後の最低最悪の対応です。

こういう方のiPhoneは直りにくいですし、内部クリーニングを行って仮に直らなかった場合、確実にトラブルに発展するので私はお断りします。

これってiPhoneを水没させるという話だけではなく、色々なことに適用できると思います。

専門家やプロ、または自分の尊敬できる人、誰でもいいですが、とにかく自分よりその道に精通している人の話を素直に聞いて実行すると、すんなりとうまくいく場面が多くないですか？

これは師匠の話なんですが、うちはiPhone修理で開業したい方に向けて技術講習を行っているのですが、やっぱり素直に話を聞いて実行する人ほど上達が早いんだそうです。

悪意のある、その人自身の利益のために言っているアドバイスなら聞く必要はないですが、善意のアドバイスは素直に耳を傾けるべきです。

その方が早いし確実。

変な貧乏根性で始めから自分流を貫こうとすると、間違っていることも多い上に時間がかかります。

私はこんな性格なので、時々個人事業主の方から店舗運営のことを相談されたり愚痴を聞いたりすることがあります。

私は「儲からない」と愚痴をこぼす人や「儲からなくてもいい」という強がり、また、「来てくれれば分かる」などと泣き言をいうような経営者が嫌いなので、ハッキリと言います。

「悩むのはいいけど、じゃあ改善するために何かやったの？来てくれれば分かるって、そもそもそんなこと言ってる店に来ないと思うけど」というような、結構キツイことを言ってしまいます。

別に、私だって大きく儲かっているわけではないし、私は運がいいので他の人から見ると「運のいいあなたにはこの苦しみが分からないでしょ」と思うのかもしれないですが、少なくとも私は「儲からない」と愚痴をこぼしたことも「儲からなくてもいい」と強がったことも「来てくれれば分かる」などという甘えを言ったことは、一度もありません。

今、現状できる精一杯のことを常に実行しています。

私はこんなぬるいことを言う奴は経営者など辞めればいいと思っているので、ハッキリ言います。

大抵こういうことを言うと、みんな反発して連絡してこなくなります。

元々こんなぬるいことを言っている経営者気取りの人たちなので、そりゃそうですよね。

おそらく図星を突かれてムカついて嫌になってしまうのだと思います。

何が言いたいかと言うと、結局正論を言われて拗ねるような人、反論するような人、従わない人は誰かに意見など求めるべきではないです。

私だって暇ではないので、愚痴を聞く時間や悩みを聞く時間をわざわざ取っているわけです。

そこでちょっと強く言われたからとイライラするような人は、そもそも人にそんな話をするべきではないと思います。

私などは「結局慰めてもらいたいだけなんでしょ？」と思い、真剣にアドバイスしていたこともバカバカしいです。

私は開業した頃、師匠が東京にいた時のお店をひとつの成功例として参考にしており、かなり色々なことを細かく聞いてその通りに実行していました。

我流の部分もありましたが、言葉は悪いですが、かなりパクってました。

修理の仕方なんて、全機種師匠の教えを今でも忠実に守っていますし、その点を自分流でやろうと思ったことも一度もありませんし、反発したこともありません。

修理で分からないところはすぐに聞いて教えてもらい、その通りにやります。

結局、師匠の方が正しいことが分かっているからですね。

私はそういう素直さが人間には必要だと思っています。

と話が逸れてしまいましたが、今日は「プロやメンターの話は黙って聞こう。それが確実」という話でした。

最終的には素直な人間がどんな場面でも好かれ、成功していくと思いませんか？

人が良かれと思って言っていることをあーだのこーだのごちゃごちゃ言ってモタモタしているような人はそもそも好かれないですし、助けたいとも思われません。

iPhone修理は人生にも通じますね。

ますます奥が深い。

最後に、iPhoneを水没させてりんごループになったら、すでに最終段階に突入しています。

ごちゃごちゃと考えている間にも、どんどん症状は悪化していきます。

りんごループの状態で修理に出す決断が出来れば、直る可能性もまだ少しはあります。

が、直らない場合も多々ありますので、すでに手遅れです。

一刻も早く内部クリーニングに出すか、諦めて買い替えるか、どちらかですね。