修理をオープンにするかどうか

私がこの店を開くにあたり、店つくりでこだわったことと言えば「修理しているところをお客様が見られるようにした」ことです。

私のiPhone修理店のイメージって「裏でこそこそ修理していて怪しい」でした。

最近はiCrackedさんのようなお客様の目の前で修理するような修理店も出てきていますが、従来は受付でiPhoneを預かってお客様の目の届かないところで、パパっと修理してまた持ってくるようなスタイルが主流でした。

やっぱり、これでは怪しいなと思われても仕方ないと思います。

わざわざ裏に行って何をこそこそやっているの?と思うのが、普通の感覚だと思うんですよね。

私は正直申しまして、データのことをとても気にするような方は民間の修理店を利用せず、初期化して正規店に行く方がいいとは思います。

民間の修理店は“データが消えない”ことが強みだし、大多数のお客様はそれがよくていらっしゃるからです。

それでも、私たち修理店側もお客様に安心していただく努力はするべきだと思うんです。

裏でこそこそやっているくせに、データを気にする方に「じゃあ正規店に行けば?」なんて、怪しすぎます。笑

ですので、私の店は何をやっているのか作業は全てお客様から見えるように、お客様の目の届くような配置にしています。

ただ、じゃあお客様が修理が見たいのか?と言えば、それとこれとは話が別で。

私の店は修理しているところが見えるようになっていますが、自ら進んで修理の一部始終を見たいというお客様はほとんどいらっしゃいません。

私も特に「修理ご覧になりますか?」と提案したりしないですが、おそらく提案してもほとんどの方はご覧にならないと思います。

皆様はどうですか?
修理、見たいですか?


何でこんな話をしているのかというと、この間ツイッターで、あるiPhone修理のチェーン店を展開されている代表の男性の方が、適当な修理をしている非正規の修理店のまとめ記事のようなものを参照して「icrackedを見習うべき!修理はお客様の前で完結させるべきだ」みたいな事を呟いていたんですね。

私もそうなれば素晴らしいとは思います。

やっぱり、こそこそ裏で修理するのは良くないとは思うんですね。

私も店つくりをする際に大いにicrakedさんを参考にしました。

ただ、この意見自体に全面的に賛同するかというとそういう事もなくて。

修理店側の修理をしている技術者としての一意見を言わせていただくと、簡単・単純な修理(画面を交換する、バッテリーを交換するなどパーツ交換だけすれば良い作業)なら一部始終見ていただいても構いませんが、非常に損傷の激しい、単純なパーツ交換だけでは終われない修理の中には、お客様に積極的には見られたくないものも正直あります。

特に、うちの店は専門店なので、激しく壊れているものも結構来ます。

そういうものの修理に関しては、隠したいわけではないけれど、お客様に見られたくない技とかも使うわけですね。

“決して怪しい事もやましい事もしているわけではないけれど、お客様に見られたくない事もある”

おそらく技術者の方はこの言い回し、非常に理解してくれると思います。

それはお客様に無用な心配をかけたくないという気持ちからでもあります。

修理店お客様双方にとって、何でもかんでも見えれば良いというわけではないと私は思いますね。

本体に全く損傷も歪みもなくて、ただ画面を交換したりバッテリーを交換して済むような単純明快な修理であれば別に良いですよ。

ただ、iPhoneはそんな簡単に終われる修理ばかりではないので、私としてはお客様の目の前で修理が完結すべきとも思いませんし、お客様もそんなに見たいのか疑問です。

私は、上記の理由から出来るだけ信用していただくために修理しているところが見られるように店つくりをしてはいますが、全部見せたいとは思っていないというのが本音です。笑

まぁ、やましい事をしているわけではないので、どんな修理もお客様が「見たい」といえば堂々とお見せしますが、実際のところ、意外とほとんどいらっしゃらないですよ。


何でも「塩梅」ってありますよね。

今の時代って何か色々と極論になりがちですけど、修理という分野は状況・状態・症状によって、また、お客様によって臨機応変にご対応していくのがベストかな、と思います。

要は、すべてお客様に信用していただくための工夫なので、どう信用していただくかはその店の色として各々が工夫して行けばいいのかな、と思います。

それを良しとするか悪いとするかは、あとはお客様次第です。

私は何でもかんでも極論で「こうすべき」とは、他人からは言われたくありません。

それは経営者目線で見ればそうかもしれないけれど、技術者の意見もきちんと聞いた方が良いと思います。

私は幸いどちらも兼ねていてどちらの気持ちもよく分かるので、お客様も含めて全員にとって「ほどよい」ラインを保てるように、日々工夫して仕事をしていきたいと思います^^