個人店がうまくいく秘訣とは?
私は3年くらい前まで、いつも行く美容院が決まっておらず「美容院難民」でした。
髪を切る度に、カラーをする度にホットペッパーのクーポンを使って色々な美容室を巡っていました。
それはどこに行ってもなんかピンと来なくて、だったら別に安いところでいいや、と思っていたからです。
しかし、3年前にとある美容院と出会ってから、そこの行きつけになりました。
そこの美容院はある男性美容師さんが経営している個人サロンです。
私はオープンして数日後くらいにたまたま行きまして、その頃はもちろんまだ全然空いていたのですが、今や予約困難なほどに人気店になってしまいました。
私は正直落ち着いている方が好きですし、予約が取れないのも大変なので、初期の頃に戻って欲しいのですが、いちファンとしては繁盛するのはとても嬉しいことです^^
私がいつも担当してもらうのはそこの美容院のオーナーさんなのですが、このオーナーさん、かなりやり手で、1店舗オープンしてから3年で3店舗にまで増やしているんです。
しかも、全部系列店という感じではなく、それぞれ3つとも個人店という感じでやっているらしいです。
私などオーナーさんに比べたら足元にも及ばないのですが、個人事業主の後輩としていつも色々と教えてもらっています。
うまくいっている人の話ってすごい貴重ですよね。
特に私の周りって、なんか辛気臭いというか、個人事業主や会社経営でここ数年で創業or開業してうまくいっているという話をまず聞かないので、間近で成功体験を聞かせてもらえる場がとても貴重です。
この美容院とオーナーさんは私の一種の“目標”とか“お手本”にさせてもらっています。
先日、カットとカラーにお伺いした際に私が東京に店舗を出すことをご報告したところ、また事業話に華が咲きました。
今回はオーナーさんの周りで店舗を運営している人で「うまくいっている人」と「うまくいっていない人」の差を教えていただきました。
美容室というのは日本ではコンビニよりも数が多く、競争が熾烈で店を維持していくことが本当に大変なんだそうです。
確かに田舎でも「どこにこんなに行く人いるの?」っていうくらい、美容室で溢れていますよね。
iPhone修理店も数がありすぎて競争が熾烈とか言われていますが、美容室はその比ではないと思います。
でも、それでも私が通っている美容室のように何週間も予約困難なほど繁盛しているお店もあります。
その違いはなんなんだろう?ととても疑問に思っていました。
オーナーさんから教えていただいたこととして、うまくいっている人はまず初期投資にお金をかけていないとおっしゃっていました。
私が文京区春日の店舗は全部自分で改装した話をしたところ、美容師さんでも自分で店を改装して作った人はみんなその後うまくいっているとおっしゃっていました。
かくいうオーナーさんも私の通っている店舗の天井は自分でペンキで塗ったそうです。
オープンに間に合わず徹夜で塗っていたそうで、オープン日は疲れで死にそうだったらしいです(笑)
逆に、内装や家具にこだわってすごくお金をかけた人は、結構早い段階で潰れているとおっしゃっていました。
しかもそういう人に限って、美容師としての腕も一流で有名店で長年働いていた経験があり、お客様も多数持っていたりしたそうです。
これ、iPhoneの修理店にも同じことが言えるな、と思いました。
私が見た限りでも、最初に店舗にお金をかけていない人ほど、うまくいっているかは分かりませんが、少なくとも潰れてはいません。
逆に、大きなフランチャイズに加盟して好立地に店舗を借りた人ほど数ヶ月とかで潰れています。
私も、修理がとても速くて上手でなおかつ知識も豊富なのに、全く集客できず潰れているか、ギリギリの生活を余儀なくされている人を沢山知っています。
この仕事は、特に、正直腕とか集客に全く関係ないですからね。
そこを勘違いしていると集客など出来ませんよね。
この考えって、やっぱり職人気質の人にありがちですよね。
正直に、素直に、誠実にやっていれば繁盛するという考え方は間違いで、そういう店ほど嘘をついてコピーパネルなんかを安売りしている粗悪店に負けてしまうというのが、悲しいかな、現実です。
あと、もうひとつうまくいっている人の特徴としては「無理をしていない」とおっしゃっていました。
自分の度量に合わない大きなお店を借りたり、無理して高い家賃のところを借りたり、借金してまでやっている人は無理がたたって早々に潰れてしまうケースが多いそうです。
これはあくまでも個人店の話なので、法人であれば、売り上げも大きい分、銀行からの借り入れも多い場合もあるかもしれません。
私が思うには個人店で店を潰さない人は驕っていないな、と思います。
「お客さんは来なくて当たり前」
「明日潰れるかもしれない」
そういう思いが基本にあり、危機感を持ってしっかりと対策・運営している人は、最悪のところまではいかないような気がします。
逆に「絶対に繁盛するだろう」とか「ちょっと儲かったから勝負しよう」という気持ちの人はうまくいかないのではと思います。
絶対に儲かる話などありえないですからね。
私からすると、そもそもそんな思考に至ることがありえないですが、いずれにしても自分のキャパ以上のことをやらないことが重要なのかもしれません。
商売ってタイミングがとても大切だなと思います。
例えば、いますごく良いビジネスのアイディアを思いついたとするじゃないですか。
もうやったら絶対に儲かる!繁盛する!今すぐやりたい!と。
始めるためには100万円必要。
でも、貯金が50万しか無かったとする。
あなたならどうしますか?
私ならまずはアルバイトを掛け持ちして150万貯めます。
それでなんとか80万でできる方法を考えます。
商売って思わぬお金がかかるので、80万で出来る方法を考えても結局100万までかかってしまうんですよね。
残り50万でしばらくうまくいかなくても生活できるように準備しておきます。
でも、うまくいかない人というのは、残り50万を借りてギリギリ100万で始めてしまったり、借りるまでしなくともギリギリで始めてしまう人かなと思います。
もし仮に、その時が最後のチャンスだと感じていて、もう絶対にうまくいくから今すぐ始めたい!というのであれば、私なら手持ち50万でとりあえず出来る範囲で始めて他にアルバイトをして生活費を稼ぎますね。
もし、それも厳しくて無理なのであれば、それは始めるタイミングではないんだと思います。
確かに業種によって波が来ている時と来ていない時というのがあって、来ている時に始めるというのは勿論大切なのですが、来ていない時でも戦い方など工夫次第でいくらでも繁盛させる方法ってあると思うんですよね。
ただ、潰れてしまえばすべてが終わりです。
もし、金銭的に無理しないと始められないようなら始めない方がいいと、私は思いますね。
でも、これは凡人の考え方なのかもしれないです。
たまにお金を集めるのが天才的に上手で、しかも稼ぐのも天才的に上手で、借金して始めてあれよあれよという間に億万長者になってしまうような人もいますからね。
昔、父の知り合いでいつも新しい商売を始めては潰して始めては潰してを繰り返している人がいて、その方に「そんなにすぐ潰してしまうのにどうやって新しい商売を始められるの?」と聞いてみたことがあったそうです。
もちろんお金が底をつくから潰れるわけで、それなのにその人はすぐにまた新しい事業を始めるそうなんです。
おうちがお金持ちというわけでもなく「どうやって開店資金を得ているんだろう?」とすごく疑問だったそうです。
父がその方に尋ねてみたところ「金なんてある奴から貰えばいいんだよ。」と涼しい顔をして言っていたそうですよ(笑)
そういう人も世の中にはいますからね、一概にはやっぱり私の考えが正しいとは思わないです。
ただ、私自身は絶対にそういう人ではないと思っているので、人からお金を借りて始めようと思うことなどありません。
結局、個人店がうまくいくかいかないかは「身の程を知り無理せず自分のできる事をコツコツやっていけるかどうか」という結論に、オーナーさんのお話から達しました。
商売に近道なし!
そして、近道したい人には個人店は向いていないかもしれないです。
どんな業種も結局は王道の方法しか、うまくいく方法は無いのかもしれないですね。