バッテリー交換で気をつけていることは、最大容量の正確で安定した数値

みなさま、こんにちは!

寒い毎日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか?

私は、相変わらず事務仕事に追われており、ひじょ〜に忙しいです。

今までの労働時間ではもう間に合わないので、今年に入ってから、朝の出勤を1時間早めました。

ただ、2月からは、日曜日の営業時間を朝9時〜午後5時半に変更予定です。

今までの経験から、日曜日は午前中が忙しくて、夕方くらいにはお客様もいらっしゃらなくなるので、営業時間を前倒しする予定です。

個人事業を法人化するにあたり、しっかりとシミュレーションしていたはずでしたが、思いのほか、スムーズに進んでおりません。

まぁ新しいことって、そんなにうまくいかないですよね。

なんか、開業した当時のことを思い出します。

開業当時はひとりだったので、思い出したくないほど大変でした。笑

いまは千葉がいるので、開業当時に比べれば、全然楽かな。

今年は5月くらいまでは、1日も休めなさそうです。

商売は、めっちゃ忙しいか、めっちゃ暇か、極端ですよね〜。


では、本題に参りましょう。

冬というのは、例年、バッテリー交換の需要が増えるのですが、今年は有難いことに、例年を上回るペースでバッテリー交換をご依頼いただいております。

そのため、千葉は毎日10時間くらいバッテリーの点検と交換をしております。

当社は、バッテリーの「点検」工程に、非常に重きを置いておりまして、お客様にお出しするまでに沢山の工程を経ております。

実は、今年一発目の修理ブログは、当社のバッテリー交換の修理工程を、一部始終ご紹介しようと考えておりました。

というのも、ここ数ヶ月ほど、この記事のアクセス数が急上昇しており、

この記事に関連するお問い合わせが増えているため、

「当社がバッテリー交換を実際にどのように行なっているのか?」

をご紹介しようと思ったからです。

ただ、ちょっといま、私にその記事を作っている余裕がないため、それはまた時間がある時にゆっくりご紹介するとして、今日はこだわりポイントをひとつご紹介しようと思います。

当社は、バッテリー交換において、様々なこだわりポイントを持っています。

その中でも、特に拘っているのが、今日の記事のタイトルにもしましたが、

“バッテリーの最大容量の正確で安定した数値”です。

詳しくご説明しますね。


iPhoneのバッテリーを長く快適に使用するためには「最大容量」がもっとも大切になってきます。

しかし、私たちが重要視しているのは、設定から見られる最大容量ではありません。

正直、こんな数値はどうでもいいです。


まぁどうでもいいというのは言い過ぎですが、当社はこの数値はあてにはしていません。

バッテリーの状態は、Macに入れているアプリにて測定しております。

当社のiPhone11を例に見てみましょう。


iPhone11のバッテリーの最大容量は【3110mAh】という数値です。

対して、今のこの端末の容量(Full Charge Capacity)は【2841mAh】です。

このとき、設定から見られる最大容量は、92%でした。


「3110に対して2841なので、92%は概ね正確に表示しているな」という判断をします。

このように、当社は、まずアプリにてバッテリーの最大容量の数値を測定し、設定から見られる最大容量と照らし合わせるという作業を行います。

ちなみにこのアプリは、大まかな製造年月日や、充電回数も確認することが出来るので、これでお客様のiPhoneの使い方の「癖」というのが見えてきます。

この”癖”を修理前に把握できると、修理後に端末を返す際に、今後の使用上のアドバイスをお客様おひとりおひとりに合わせて行うことが出来ます。


さて、この数値測定は、実際の修理前後にも行うのですが、お客様にバッテリーを出す前の、バッテリー点検時にも行います。

この写真は、あるiPhone7のバッテリーをこれから点検していく前の「点検前点検」(何回点検すんだよって話ですがw)の際に測定したものです。

最大容量が正常の数値に届いていません。


iPhone7のバッテリーの最大容量は、新品の状態では【1960mAh】という数値です。

対してこのバッテリーは、最大容量が【1953mAh】【99.6%】です。

設定の最大容量表示は、100%になっています。


これは、実は問題です。

最大容量の数値が微妙に足りていないため、厳密に言うと「100%」ではなく「99.6%」です。

お客様にお出しするバッテリーは、100%以上無いと、当社では不合格となります。

このように、設定の最大容量の数値だけで判断していると、こういう細かい違いを見抜けません。

そのため、当社では、この最大容量の細かい数値というものを非常に大切にしています。


最初の点検の段階で、明らかに容量が少ないものは、ほとんどの場合で不合格になります。

稀に、最初は容量が少なくても、充電と放電を2、3回繰り返すと正常値に安定することもあるのですが、10個中1個くらいですかね。

このバッテリーは、念の為、2回ほど充電と放電を繰り返したところ、最終的に、最大容量の数値が93%で落ち着き、無事不合格となりました。


これを「設定の最大容量表示が最初に100%表示だから」とろくに点検もしないでお客様に出してしまうと、早い段階で劣化や膨張をしたり、再起動を繰り返すなどの不具合が生じてしまう可能性があります。

これが当社によく寄せられる「数ヶ月前に他店でバッテリー交換をしたのですが、もう減りが早くなってしまった」という主な原因です。

明らかに、検品不足。

元々状態の良くないバッテリーを取り付けられたために、早い段階で劣化したのではないでしょうか。

当社ではこういう事態を防ぐために、点検時にこの数値を入念にチェックし、先に問題の芽を摘むように心掛けています。

当社は、バッテリー交換だけで年間1,000台以上行なっておりますが、バッテリーの製品保証期間の3ヶ月の間に再修理になる端末は、年間1〜2台ですかね。

ここまでやっていても、ごく稀に、再修理になってしまうことがあります。

iPhoneのバッテリー交換って、意外と奥が深いんです。

当社の場合、そもそも仕入れ先のバッテリーの質が良いので、先ほどご紹介したiPhone7のような、最初から明らかに容量の足りていないバッテリーは、ほとんどありません。

しかし、全く無いわけではありませんので、最大容量をしつこくチェックする工程は欠かせません。

この最大容量の数値は「大きい」だけでもダメです。

「大きい」ともうひとつ、「安定している」という要素も大切です。

先程のiPhone7の画像をもう一度見てみましょう。

このバッテリーの最大容量は【1953mAh】ですが、このあと充電と放電をする間、増えたり減ったり、数値に何度も変化がありました。

充電と放電をする間に、この数値が大きく増減を繰り返すようなものは、例えその時に最大容量に問題がなくとも、当社では不合格にします。

理由としては、動作が安定しないバッテリーは、今後起動に異常を来す可能性があるからです。

当社では「出来るだけ長く快適に使っていただくこと」を目標とし、点検には最大限気を遣っています。


iPhoneのバッテリー交換は、簡単にやっているように見えると思います。

お客様からもそのように言われることもありますし、実際自分で修理している方も多くいます。

私は、それはそれで全然良いと思っています。

正直なところ、バッテリー交換と言う作業だけだったら、素人にも割と簡単に行えます。

ただ、当社はプロとしてお金を頂いて営業をしておりますので、”安全で安定しているパーツ”を使用し、”正しく直す”という責務を負っていると思っています。

ひとによっては、「ここまでやらなくてもいいだろう」と感じる方もいるでしょう。

確かに、当社の取り扱っているパーツは、大半が元々しっかりとした品質ではあります。

しかし、1%でも不具合の出る可能性があるうちは、点検はやりすぎなくらいやっておいた方が賢明だと、当社は考えております。

ここまでやっておけば、お客様に安心してお出し出来ますし、万が一、不良を出してしまっても、諦めもつきます。

もちろんお客様には最大限の謝罪は致しますが、出来ることを全部やって、それでも出てしまったものについては、正直諦めるしかありません。

単なる実力不足ですからね。

ですので、次に向けて「何が悪かったのか?」「次に同じ不良を出さないために何が出来るのか?」具体策を考えていきます。

当社技術者の千葉が修理キャリア8年の間に、そうやってトライ&エラーを繰り返して、今の点検方法に辿り着きました。

これでも足りなくなれば、当社ではまた点検方法を変えていくことになるでしょう。

「トライ&エラーを繰り返し、サービスをより良いものに昇華し、ユーザーの信頼を勝ち取っていくこと」

これが”プロ”ではないかと、私は思っています。


あと、最後に本音をひとつ。

「やっぱり非正規店だから、非正規のパーツなんてこんなもんだよね。」

これだけは、本当に言われたくない。

正直申し上げますと、”お客様に長く快適に使っていただきたい”という想いと同じくらい、これを「絶対に言われたくない!」という思いのもと、私と千葉は意地で点検しています。笑

「あれ、民間の修理店も結構いいね!」

お客様全員から、こう言われたい。

こう思ってもらうために、出来ることは全部やっているという感じですかね。

私は、サービスの特性上、「最高」だとは思っていただけなくても、仕方ないとは思っています。

ただ「意外と良かった」とは、思われたいです。

はなっから正規店信者の方はどうでもいいですが、そうではない一般の方に、当社のせいで「やっぱり非正規店だから」と思わせてしまうのは、本当に悲しいことです。

勿論当社は万能ではありませんし、出来ないこともあるのですが、こと出来ることに限っては、誰にもどこにも負けたくないです。

なんか、この間テレビで「気が強ければ強いほど、忍耐力もそれに比例する」というようなことをやっていたのですが、まさに私だなと思いました。笑

それって多分、気が強い人って負けず嫌いだから、勝つまでやるんでしょうね。

結果、忍耐力が鍛えられるんだと思います。笑


話はそれましたが、今日はここまでにしておきますね!

今日は、当社のバッテリー交換のこだわりをチラッと紹介してみました。

楽しんでいただけましたら幸いです^^